最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)322 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人Aの上告状記載の上告理由について。
所論はたんに原審の事実認定を非難し、また具体的事由を示すことなく原判決の
法令違背を主張するものでしかないから、上告適法の理由となし得ない。
上告代理人清水胤治の上告理由第一について。
本建物が金二〇万円程度の消費貸借上の債務の担保に提供され、建物の価格が金
一〇〇万円以上であること等の所論抗弁の基礎たる事実は、これを認めるに足りる
証拠がないとして原審が否定したところである。従つて、かかる事実を前提として
本件代物弁済契約が無効であるとの所論は理由がない。また所論損害金の特約が約
束手形金債務についてなされたことも、原判決の確定するところであり、特段の事
情のないかぎり右損害金の約定を無効と解すべきいわれはない。されば、原判決に
は所論の違法はない。
同第二点について。
家屋明渡を怠るときは一日六〇〇円の割合による損害賠償額を支払うべきことを
予定した特約の効力を否定すべき根拠はない。右特約に基ずく請求を目して権利の
濫用と主張する所論の採用し難いこと論をまたない。
同第三点、第四点について。
裁判所が裁判をなすに熟したと認めて結審した以上弁論再開をするかどうかは裁
判所の自由裁量に委ねられているところであるから、所論の申請を容れなかつた原
審の措置に何等の違法も存しない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
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おり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 垂 水 克 己
裁判官 高 橋 潔
裁判官 石 坂 修 一
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